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高分解能エンコーダとは?精度比較と応用ガイド

1. 高分解能エンコーダとは?

高分解能エンコーダは、角度または直線移動を極めて高精度に測定するセンサーです。分解能(PPR:パルス/回転、CPR:カウント/回転)は測定精度を決定する重要なパラメータです。高分解能エンコーダは、ロボットCNC工作機械、半導体製造、自動化制御などの分野で広く使用されています。


2. 一般的な精度レベルと比較表

エンコーダ分解能(PPR/CPR)一般的な値用途メリットデメリット
100 - 500 PPR100 PPR, 200 PPR, 250 PPR, 360 PPR, 400 PPR, 500 PPRエレベーター、コンベヤシステム、ファン低コスト、優れた耐干渉性低精度、精密制御には不向き
600 - 2,000 PPR600 PPR, 720 PPR, 1000 PPR, 1024 PPR, 1500 PPR, 2000 PPR繊維機械、一般産業用自動化中程度の精度に適し、コストパフォーマンスが良い高精度用途には不十分
2,500 - 10,000 PPR2500 PPR, 4096 PPR, 5000 PPR, 8192 PPR, 10000 PPRCNC工作機械包装機械、医療画像装置高精度、速度と安定性のバランスが良い価格が高く、ノイズ対策が必要
10,000 - 50,000 PPR12,000 PPR, 25,000 PPR, 30,000 PPR, 50,000 PPRロボット、自動組立ライン、半導体装置超高精度、精密制御に適しているコストが高く、設置環境の制約がある
50,000 - 200,000 PPR65,536 PPR, 100,000 PPR, 131,072 PPR, 200,000 PPR精密測定、研究機器、航空宇宙マイクロメートル精度の制御に適している高価で、環境の影響を受けやすい
200,000 - 1,000,000 PPR250,000 PPR, 500,000 PPR, 1,000,000 PPRナノレベルの自動化、リソグラフィ装置、研究機器最高精度、超高精度用途に最適価格が非常に高く、高度な信号処理が必要

3. 各分解能のエンコーダの詳細説明

低分解能エンコーダ(100 - 500 PPR)

用途: コンベヤシステム、エレベーター、ファン、一般的な産業用機器
メリット:

  • 低コストでメンテナンスが容易

  • 低精度用途に適している

  • 高い信頼性、耐衝撃性に優れる
    デメリット:

  • 精度が低く、精密制御には不向き

  • 高速回転時の速度制御誤差が大きい

中分解能エンコーダ(600 - 2,000 PPR)

用途: 繊維機械、物流コンベヤ、一般的な産業用自動化
メリット:

  • 中程度の精度が求められる用途に適している

  • コストパフォーマンスに優れる

  • 標準的な産業用インターフェースと互換性がある
    デメリット:

  • 高速運動時には一部誤差が発生する可能性がある

  • 信号のジッターが発生する場合がある

高分解能エンコーダ(2,500 - 10,000 PPR)

用途: CNC工作機械、包装機械、医療用画像装置
メリット:

  • 精密な位置決めと速度フィードバックが可能

  • 高速動作制御に最適、応答速度が速い

  • EtherCAT、PROFINETなどの産業用ネットワークと互換性がある
    デメリット:

  • 価格が比較的高い

  • 高性能な信号処理回路が必要

超高分解能エンコーダ(10,000 - 50,000 PPR)

用途: ロボット、自動組立ライン、半導体製造装置
メリット:

  • 高速応答が求められるシステム(ロボットアームなど)に最適

  • サブミクロンレベルの精度を提供

  • より安定した信号処理が可能
    デメリット:

  • 環境の影響(ホコリ、温度変化)を受けやすい

  • 高速データ伝送やノイズ対策が必要

超精密分解能エンコーダ(50,000 - 1,000,000 PPR)

用途: 航空宇宙、ナノ精度自動化、研究所
メリット:

  • 最高レベルの分解能でナノメートル精度を実現

  • 最先端の研究や半導体製造に最適
    デメリット:

  • 価格が極めて高く、特定用途に限定される

  • 高度な信号処理(光ファイバー伝送など)が必要

  • 環境の影響を受けやすく、特殊なシールド対策が必要


4. 適切な高分解能エンコーダの選び方

  1. 用途に応じた分解能を選択

    • 低速移動・一般的な位置検出:100 - 2,000 PPR

    • 精密なモーションコントロール(CNC/ロボット):2,500 - 10,000 PPR

    • 超精密測定(半導体・リソグラフィ):100,000 PPR以上

  2. 環境への適応性を考慮

    • 高温・高振動環境:磁気式エンコーダを選択

    • 高精度・クリーンルーム環境:光学式エンコーダを選択

  3. 信号出力の互換性を確保

    • インクリメンタル型:TTLHTLRS422(標準制御システム向け)

    • アブソリュート型:BiSS、SSIEtherCAT(産業ネットワーク向け)


5. まとめ

適切な高分解能エンコーダを選択するには、用途に応じた分解能、コスト、環境適応性を考慮する必要があります。100 PPRから1,000,000 PPRまでのエンコーダを比較し、それぞれのメリット・デメリットを理解することで、最適なシステムを構築できます。

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投稿時間: 2025年03月10日
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