IP68とIP69Kの違いと深水環境での適用性
1. 防塵性能
2. 防水性能
IP68:
長時間水中に浸すことを前提として設計されています。通常、1~3メートルの水深で動作し、特別設計されたモデルでは10メートル以上にも対応可能な場合があります。
主に高温・高圧の水流に対する耐性を強化しており、80~100バールの水圧と80℃までの高温水流に耐えるテストを実施しています。ただし、長時間の深水浸漬用途には向いていません。
3. 深水環境での適用性
IP68の深水適用性:
一般的なIP68製品は1~3メートルの水深で動作しますが、深水用に特別設計された製品では10メートル以上の使用も可能です。
海洋探査や水中ロボットなどの極端な深水用途の場合、圧力補償設計や防水性の高いサブマージブル(完全防水)エンコーダの選定が推奨されます。
IP69Kの深水適用性:
IP69Kは一時的な高圧水流に耐えるための設計であり、長期間の深水環境下での使用には適していません。
数メートル以上の連続した水圧下では、密封性が維持できなくなる可能性があります。
4. 適用シーン
IP68:
海洋機器、水中ロボット、屋外自動化装置など、長期間の水中運用が必要な装置に最適です。
IP69K:
主に高圧水洗が必要な自動車洗浄システム、食品加工設備、医薬品製造装置などに適していますが、深水浸漬用途には推奨されません。
5. テスト基準と設計の重点
IP68:
長時間の水中浸漬時における密封性能に重点を置いており、規定水深での安定運用を確保します。
IP69K:
短時間の高圧・高温水流の衝撃に耐えられるかを重視し、頻繁な洗浄環境に適しています。
まとめ
特性 | IP68 | IP69K |
---|---|---|
防塵性能 | 完全防塵(6) | 完全防塵(6) |
防水性能 | 長時間浸漬可能;通常1~3m、一部モデルは10m以上にも対応可能 | 高圧・高温水流に対する耐性があり、深水浸漬には不向き |
深水適用性 | メーカー仕様で深水(10m以上)対応製品もあり | 長期間の深水使用には適さない |
適用シーン | 海洋機器、水中ロボット、屋外自動化装置 | 高圧洗浄が必要な自動車、食品、医薬品装置 |
選定のご提案:
長期間の深水(10m以上)運用が必要な場合は、深水用に設計されたIP68製品または完全防水エンコーダを選択してください。
高圧洗浄環境が主な用途であれば、IP69K規格の製品が適しています。